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第一弾 カラフルりんごTシャツ

『親には感謝しかないです』

 

僕の父親は愛知県豊橋市で印刷会社を経営していました。本来は物静かな性格ですが、すぐ色々な人に声をかけ冗談を言うようなタイプの人です。不器用でおっちょこちょいで人がいい、そして気が小さい、そんな感じの人でしょうか。母親はとても明るい人で気さくで優しく、そしてかなり気が強いタイプです。この気の強さには眉をひそめるところもありますが、わがままでプライドが高く、でも気の小さい父親にとっては、母親のこの気の強さと明るさに随分助けられてきたのだろうと息子の僕から見ても分かります。

 

僕は若い頃から自分のことしか考えておらず、根拠のない自信の塊で、将来のことなど全く頭になく、ただ親のスネをかじっている放蕩息子でした。親がよく許すねと人から随分言われましたが当時の僕は全くピンと来ませんでした。当然今ではよく分かりますが、そのくらい両親は僕に干渉することなく自由にさせてくれていました。きっといっぱい我慢していたのだろうと思います。

 

そんな中、僕が30歳になる年に父の会社が倒産し、かじるスネを失いました。情けないですが、この歳で初めて自力で生活しなければならなくなり、今思えばただの甘ったれですがかなり絶望したのを覚えています。職を探し、友人宅に居候し、細々と新しい生活が始まりました。同時に自分自身の内面について初めて向き合い、目をそらしていた所も深く見つめるようになりました。今まで好きなようにできていたのは全て親のおかげだったという事にも気づかされました。

 

今でもそうですが、親には感謝しかありません。父は、母と一緒に会社経営を36年間続けました。いい時もあったでしょうがほとんどは苦労の連続だっただろうと思います。そんなそぶりは見せず、僕には自由を存分に与えてくれました。

 

事実かどうかは分かりませんが、豊橋市で初めてMacintoshのコンピューターを入れたのはうちの会社だと聞いたことがあります。子供の頃、事務所にカラフルなりんごマークのステッカーが貼ってあったのをよく覚えています。なぜか今このタイミングであのカラフルなりんごマークのことを思い出しました。親父もなかなかイカすじゃないか。りんごマークから物語をスタートさせようと決めました。

 

一から新たに色をつけていこうとあえてモノクロでりんごを表現しました。どんなカラフルりんごにこれからなっていくのか、ワクワクです。

 

 

 

制作

運よく冷蔵庫にひとつだけりんごが残っていたのでそれをモチーフにしてかじったりんごを粘土で作りました。それをライティングし、りんごマークでお馴染みのiPhoneで写真を撮影しTシャツにプリントしました。また、配布するご案内を木版画にしようと版を彫ったのですが、刷り上がった版画は全て表情が違い、並べるてみるととても面白かったのでそれをTシャツの背面のデザインに使いました。自分で言うのも何ですがかなりオシャレなTシャツになったと思っています。よろしければQRコードからチェックしてみて下さい。制作風景の動画もりんごマークでお馴染みのiPhoneで撮影しましたのでそちらもご覧ください。

第一弾 カラフルりんごTシャツ

¥10,000価格
数量

Shuji Jindo

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